菅野 歩美
Ayumi KANNO
Ayumi KANNO
WEB SITE東京藝術大学大学院
公益財団法人現代芸術振興財団はこの度、学生対象アートコンペ「CAF賞2023入選作品展覧会」を、12月12日(火)〜12月17日(日)に、東京・代官山のヒルサイドフォーラムにて開催いたしました。
10回目の開催となる今年は、木村絵理子氏(キュレーター)、白石正美氏(SCAI THE BATHHOUSE)、野路千晶氏(Tokyo Art Beat 編集長)、桝田倫広氏(東京国立近代美術館主任研究員)の4氏が審査員を務め、絵画、映像、パフォーマンス、インスタレーションなど13名の作家による入選作品を展示を行い、展覧会初日の12月12日(火)に行われた最終審査にて、最優秀賞1名・優秀賞1名・審査員特別賞4名の、合計6名の学生を選出いたしました。
「CAF賞」は、学生の創作活動の支援と日本の現代芸術の振興を目的に開催し、日本全国の高校・大学・大学院・専門学校の学生、および日本国籍を有し海外の教育機関に在籍する学生の作品を対象としたアートアワードです。最優秀賞に選ばれた受賞者には賞金100万円のほか、副賞として個展開催の機会を提供します。
キュレーター
2023年より弘前れんが倉庫美術館副館長兼学芸統括。2000年より横浜美術館に勤務、2012年より主任学芸員。2005年展から横浜トリエンナーレに携わり、2020年展では企画統括を務める。 近年の主な展覧会企画に、“HANRAN:20th-Century Japanese Photography”(National Gallery of Canada、2019)、「昭和の肖像:写真でたどる『昭和』の人と歴史」(横浜美術館、2017/アーツ前橋、2018)、「BODY/PLAY/POLITICS」(2016)、「蔡國強:帰去来」(2015)、「奈良美智:君や 僕に ちょっと似ている」展(横浜美術館、青森県立美術館、熊本市現代美術館、2012)、「高嶺格:とおくてよくみえない」展(横浜美術館、広島市現代美術館、IKON Gallery、鹿児島県霧島アートの森、2011)、「束芋:断面の世代」展(横浜美術館、国立国際美術館、2009-10)ほか。この他、關渡ビエンナーレ・ゲストキュレーター(2008、台北)、釜山Sea Art Festivalコミッショナー(2011)など。
SCAI THE BATHHOUSE
1948年東京生まれ。株式会社スカイザバスハウス 代表。1972年よりフジテレビギャラリーを経て、89年に白石コンテンポラリーアートを設立。89年より3年間、東高現代美術館副館長を歴任。現代美術を軸とし、ファッション、建築など多岐にわたる展覧会を開催。 92年には、日本初の国際アートフェア「NICAF」の総合プロデュースを手掛ける。93年、台東区谷中に銭湯を改装したギャラリースペース「SCAI THE BATHHOUSE」を開設。以後李禹煥、中西夏之、遠藤利克、宮島達男、森万里子など日本を代表する多くのアーティストの評価を固めると同時に、名和晃平などの次世代作家を世界に向けて発信。近年、「SCAI PARK」(北品川)、「Komagome Soko」(駒込)、「SCAI PIRAMIDE」(六本木)を開設して新たな視点にて展覧会を開催している。
Tokyo Art Beat 編集長
1984年広島県生まれ。NTTインターコミュニケーション・センター[ICC]、フリーランスのアートコーディネーター、ライター、ウェブ版「美術手帖」を経て、2019年末より現職。取材や記事の執筆、レクチャーなどを行う。
東京国立近代美術館 主任研究員
1982年東京都生まれ。担当した主な展覧会に「ゲルハルト・リヒター展」(2022)、「ピーター・ドイグ展」(2020)、「アジアにめざめたら:アートが変わる、世界が変わる1960–1990年代」(共同キュレーション、東京国立近代美術館、韓国国立現代美術館、ナショナル・ギャラリー・シンガポール、2018–2019)、「No Museum, No Life?―これからの美術館事典国立美術館コレクションによる展覧会」(共同キュレーション、2015)など。


ミクストメディア・植物・土
本作のモチーフである「渋谷のハロウィン」は、東京出身・在住ではあっても、菅野の生活圏からは遠い存在であるという。近いけれど遠くもあるトピックに対して、菅野は街の構造や祭りの歴史を紐解いて、未来の人間から見た人類学的・考古学的遺物として現代の渋谷にアプローチしようとする。その手法もまた、CGと手描きのドローイングの間を何度も行き来しながらアナログとヴァーチャルな世界の間に一貫性を持たせようという試みだ。作品のモチーフを見つけて、そこにどうやってアプローチしていくのか、その手法はアーティストによってさまざまであるが、この先長く年月をアーティストとして活動していく上で、パーソナルな視点から一旦距離を置いて、社会的によく知られた時事的なトピックや、コミュニティに共有の課題に対して、俯瞰的な視点でアプローチする力を持っているという点を評価したい。最優秀賞の副賞として開催する来年の個展では、スケール感のある展示になることを期待したい。(木村)


ミクストメディア
どう受け止めたら良いのかわからないほどに、作品の中に要素が数多くある。この一つ一つが今はまだ完成されきっていないが、遠藤がこれからさまざまな場所に出向き見聞きしていくことで作品が修練されていく期待がある。これからも作品を作り続けていってほしい。(白石)


ビデオインスタレーション
横浜の港に到着する実際のコンテナを撮影した作品でありながら、特定の港に固有の歴史に依拠するのではない普遍性のある作品だ。世界中を巡ってたまたま同時に集まったリアルな存在としてのコンテナと、いつでもリアルタイムで世界中に繋がることができるオンライン上の監視映像やインターネット・ラジオとの組み合わせが、現代の鑑賞者にとってのリアリティに直結する。ある土地の固有性や当事者性を重視する現代美術の傾向を軽やかに裏切りつつ、ヴァーチャルな世界や遠隔でつながる土地にも共鳴できるようになった私たちの世界観を表現した作品である。(木村)


映像ミクストメディア/セラミック、磁器
段ボールと蝋燭と影など、思いもつかないテーマや組み合わせで作品を作っている。ダンボールが台座の役割をしていたり、影とその実体をセラミックで表現したり、アンバランスで完成されていない部分が多いが、素材やモチーフの選び方が面白い。これからどのような作家になっていくのか期待を込めて本賞を贈る。(白石)


参加者の刺繍、刺繍の道具、映像
不安定な世界情勢が続き個人の命や尊厳が軽視される出来事が続くなかで、本作が持つ平和的な強さに惹かれた。作品内では、参加者が自分の名前について語ることで自身の輪郭をなぞり直し、参加者が気恥ずかしさと晴れがましさが共存するような表情で互いを理解しあうような無防備な光景を見ることができる。一見するとシンプルな行為だが、名前を語る手段がこれまで女性中心の営みとされていた刺繍(手芸)ということ、実践の場が国内外の複数の場所であることなどから、閉ざされた行為・事柄を外へと開き、新たなかたちで結び直すことに対する作家の意志が感じ取れた。(野路)


和紙、糸
ドローイングというと普通、地を前提に、その上に点や線を引くことでつくられるものだが、本作は紙漉きに糸を絡ませることで線と面が同時に生成される。しかも表裏も判然としない。線と面が、実は有している複雑な関係を新しい方法で可視化している。藤瀬は量子力学を参照しているとのことで、理知的に作品を構築しているようだが、作品の見た目にはいい意味でおおらかさがある。(桝田)
CAF賞2026
CAF賞2025
CAF賞2024
CAF賞2023最優秀賞受賞作家 菅野歩美個展
CAF賞2022最優秀賞受賞作家 サリーナ・サッタポン個展
CAF賞2022
CAF賞2021最優秀賞受賞作家 稲田和巳 個展
CAF賞2021
CAF賞2020最優秀賞受賞作家 スピリアールト・クララ 個展
CAF賞2020
CAF賞2019最優秀賞受賞作家 サカイケイタ 個展
CAF賞2019
CAF賞2018最優秀賞受賞作家 根本祐杜 個展
CAF賞2018
CAF賞2017最優秀賞受賞作家 木村翔馬 個展
CAF賞2017
CAF賞選抜展
CAF賞2016
CAF賞2015
CAF賞2014