現代芸術振興財団
稲田和巳潮
現代芸術振興財団 ギャラリー(東京・六本木)
2023.2.18 - 4.8 木・金 12:00-18:00 / 土 12:00-19:00
会期終了
ラピロス六本木 ショーウィンドウ
2023.2.18 - 4.8 無休
会期終了

この度、現代芸術振興財団は稲田和巳個展「潮」を開催いたします。

稲田は、自身や身の回りの外界を計算機を用いて構造化し、観察することを試みてきました。作品を制作するアーティストであると同時に、背後にあるテクノロジーに携わるエンジニアとして活動することも特徴です。その作品は、稲田が「観測装置」と形容するように、見るもの自身が主体的に読み解き、我々の生きる世界への解釈を見出すことを促します。

本展では、シミュレーションシステムを構築し制作するメディアアート作品の新作を展示します。

『潮』は、社会統計データから生成された仮想の地形を用いて、地理空間に横たわる不可視な流れを考察しようとする取り組みです。異なる切り口で社会を捉えたデータを統合して構築される地形は、多元的で流動を続ける社会の姿を像として捉え、観察と発見の糸口を示します。

稲田和巳 Kazumi Inada

1997年、大阪府生まれ。2021年より筑波大学大学院に在籍。アーティストとして、主な活動に「亀山トリエンナーレ2022」(三重・2022)、「CAF賞2021」(東京・2021)、「住人たち 再制作と展示」(茨城・2021)、「つくばメディアアートフェスティバル2021」(茨城・2021)など。その他の活動に「中高生のための研究サポート動画」(ディレクション・2022)、「つくばSKIPアカデミー プログラミング実習」(教材設計と講師・2022)など。

作家Webサイト

図録

  • 作品・展示風景画像
  • 展評(谷口暁彦・久保ガエタン)
  • 作家インタビュー
  • トークセッション(稲田和巳 × トモトシ × 花形槙)

2023.8.22発行。現代芸術振興財団 Webサイトで請求できます(無料)。残部がなくなり次第、フォームから掲載がなくなります。

トークセッション 稲田和巳 × トモトシ × 花形槙

アーティストのトモトシ・花形慎を迎えたトークを開催しました。

本展では展示作品である社会の流れを示唆する地図をハンドアウト裏面に印刷し、鑑賞者に対して、街を歩いて観察するフィールドワークの実践を促しています。登壇者はトークに先立ってこのフィールドワークを体験し、そこで見聞きし感じたことをもとに意見を交わしました。

ダイジェスト・フルバージョンがYouTubeで視聴いただけます。

ハンドアウト裏面の地図を、会期終了後からWebでも配布しています。どうぞご自身でもフィールドワークをご体験ください。

こちらのデータは、個人で楽しむ用途に限りご利用いただけます。

来場案内

会期:2023年2月18日(土) - 4月8日(土)

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  • 開廊
  • ショーウィンドウのみ稼働

現代芸術振興財団 ギャラリー

会期終了

2023年2月18日(土) - 4月8日(土)
木・金 12:00-18:00/土 12:00-19:00/日-水・祝日 休廊

東京都港区六本木6丁目6-9 ピラミデビル4F
六本木駅3番出口から徒歩3分

ラピロス六本木 ショーウィンドウ

会期終了

2023年2月18日(土) - 4月8日(土)
無休

六本木駅3番出口すぐ

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会期中のイベント

公開メンテナンス

  • 3月11日(土)13:00〜13:15ごろ
  • 3月4日(土)17:00〜16:15ごろ

ギャラリーオープン中に、作家が作品のメンテナンス作業を行います。

  • 作業中もギャラリーは自由に入退室できますが、通常通りの形ではご覧いただけない作品が生じます。ご了承ください。
  • 作業の様子や作業端末の表示内容は、撮影等も含め近くで自由にご覧いただけます。
  • 作業者は来場者へのご対応を差し控えさせていただきます。ご質問等は、作業終了後にお声掛けください。

展示内容

会場で配布しているハンドアウトもご覧いただけます。

こちらのデータは、個人で楽しむ用途に限りご利用いただけます。

  1. 潮(六本木)Ushio (Roppongi)
  2. 潮(六本木) - 標高地形図 Ushio (Roppongi) - Topographic Map
  3. 潮(六本木) - 陰影起伏図 Ushio (Roppongi) - Shaded Relief Map
  4. 潮(六本木) - データレイヤ Ushio (Roppongi) - Data Layers

各展示物は、場所に紐付けることができる社会統計データをそれぞれの地点の「標高」とした、仮想の地形モデルを用いたものです。たとえば地価統計のデータでは、統計が取られた地点ごとに、価格の相対的な高低を地形上の高さに変換しています。得られたまばらな点の間を数理的に補完することで、地形の「地面」ができます。

本展では複数のデータセットを地理的場所によって組み合わせて地形を生成し、その上に水や土砂を思わせる粒子を流すシミュレーションの様子を提示します。経済・環境・情報など異なる切り口で社会を表すデータを複合的に重ねるにつれ、地形は有機的で解像度の高いものとなり、自然の産物のような複雑性が徐々に現れます。

制作にかかる数理的な処理はコンピュータアルゴリズムで実装されており、地形・稜線・粒子の流れは、作家の主観的意思を介することなく生成されています。鑑賞者の目に直接触れることこそありませんが、モデルを生み出しているこれらのシステムこそが、《潮》のまさに主体であると言えます。

クレジット

主催公益財団法人現代芸術振興財団
グラフィックデザイン岡本太玖斗
施工HIGURE 17-15 cas / 株式会社オール
会場協力Space Roppongi

展示の作品には、国土地理院オルソ画像、国土交通省位置参照情報、OpenStreetMapをはじめとするデータを加工して使用しました。またopenFrameworks、Blenderをはじめとする、ユーザコミュニティにより維持されているツールを利用し制作しました。誰もが情報を自由に利活用できるオープンな社会への賛美を込め、これらのリソースの整備・開発に貢献してきたみなさまに謝意を表します。

CAF賞について

本展覧会は、公益財団法人現代芸術振興財団の行う「CAF (Contemporary Art Foundation)賞」の最優秀賞の副賞として行っております。CAF賞とは、学生の方々を対象に若手アーティスト育成を目的として2014年より毎年実施しているアートアワードです。最優秀賞受賞者には賞金100万円のほか、副賞として個展開催の機会を提供しております。