表 良樹
Yoshiki OMOTE
Yoshiki OMOTE
WEB SITE東京藝術大学大学院
「CAF賞」は高校、大学、大学院、専門学校の学生の皆様を対象とした、若手アーティスト育成を目的とするアートアワードとして2014年より実施しています。第3回目となる今年も昨年に引き続き、名和晃平(彫刻家、SANDWICHディレクター、京都造形芸術大学大学院美術研究科 教授)、保坂健二朗(東京国立近代美術館 主任研究員)、岩渕貞哉(美術出版社『美術手帖』編集長)、山口裕美(アートプロデューサー、現代芸術振興財団ディレクター)の4氏が審査員を務め、最優秀賞1名・優秀賞2名・審査員特別賞4名の合計7名の学生を選出いたしました。 最優秀賞受賞者には賞金に加えて海外渡航費用を授与することで、次世代を担う学生へ飛躍のチャンスを提供いたします。本財団の紹介する海外の各機関やアーティスト等とのつながりを通して刺激を受け、その経験を帰国後の創作活動に生かしていただきたいと考えております。
彫刻家
1975年大阪生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了。独自の「PixCell」という概念を基軸に、作品を構成する要素や質感を追求した作品を展開する。2009年より京都にて、建築家、デザイナーなどのクリエイターと横断的な創造活動を行うプラットフォーム「SANDWICH」のディレクターをつとめる。主な展覧会は、「名和晃平‐シンセシス」(東京都現代美術館、2010年)、「神勝寺 禅と庭のミュージアム "洸庭"」(広島、2016年)、「ジャパン・ハウス・サンパウロ "ESPUMA / Kohei Nawa"」(サンパウロ、ブラジル、2017年)。第 14 回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ 2010 最優秀賞(2010年)。京都府文化賞功労賞受賞(2018年)。京都造形芸術大学大学院美術研究科教授。
東京国立近代美術館主任研究員
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(美学美術史学)修了。担当した主な展覧会に、「The Japanese House: Architecture and Life after 1945」(ローマ国立21世紀美術館、2016)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(チューリヒ・ハウス・コンストルクティヴ美術館、クラクフ現代美術館他、2014)、「フランシス・ベーコン」(2013)、「Double Vision: Contemporary Art from Japan」(モスクワ近代美術館、ハイファ現代美術館、2012)など。主な著書に、『キュレーターになる!アートを世に出す表現者』(住友文彦との共同監修、フィルムアート社、2009)、『アール・ブリュット アート 日本』(監修、平凡社、2013)など。
『美術手帖』編集長
1975年横浜市生まれ。1999年慶応義塾大学経済学部卒業。2002年美術出版社『美術手帖』編集部に入社。2007年に同誌副編集長、2008年に編集長に就任。2012年7月より同社編集部部長を兼任。書籍・別冊に『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ ガイドブック』(2006)、『瀬戸内国際芸術祭ガイドブック』(2010)、『村上隆完全読本1992-2012 美術手帖全記録』(2012)など。
アートプロデューサー&ディレクター
株式会社YY ARTS代表。eAT金沢99総合プロデューサー、「劇的3時間SHOW」キュレーター(2007)、静岡県掛川市地域活性化プロジェクト「掛川現代アートプロジェクト」プロデューサー(2008-2014)、「De La Mer 」10周年記念イベント総合ディレクター(2010)、女子美術大学非常勤講師(2010)、北京市 D-PARK Animals save the art gallery ディレクター、NPO法人芸術振興市民の会(CLA)理事、NPO法人Open Museum Project理事、玉川大学経営学部観光経営学科非常勤講師。

ポリエステル樹脂、油絵具、モルタル、鉄
作品へのコメント:
タイトルの「Tectonics」とは地質学の用語で岩石圏の運動の事を意味します。測りきれない程の大きな力や、長い時間を日常の大きさに変換しようと、今作を制作しました。
受賞した感想:
最優秀賞を頂いて誠に光栄に思います。素晴らしい空間で、多くの人に作品を見て頂けた事が今後の励みになりました。
今後の展望:
美術には時間や空間を超えて、人と人との境界線を無くす力があると信じております。
その想いを胸に、今後も素直な気持ちで作品と向き合っていきたいと思っております。
審査員からのコメント:
【名和晃平】表良樹は彫刻の概念と方法論を同時に探り出そうとしているところが面白い。ひとつひとつの表現要素は、過去の作家にもみられるような試みと似たようなものかも知れない。しかし、彼自身のやってきた創作活動のなかで直感的に導き出された結果として、この「つくる/こわす」という行為があるならば、そこにオリジナリティを見出すことができるだろう。彫刻の表皮とは、外皮だけではなく、内皮のことでもあるのだ。積層した内皮をみる(みせる)ために破壊するのかも知れないが、破壊せずに伝える手法も今後展開されることを期待する。
【山口裕美】今回、平面作品が多かった中で、表さんの作品には、慎重で繊細で確実な技術力を感じ、目を留めざるを得なかった。作品は何層もの色を流し込み完成させた立体オブジェを、最終的に破壊するところで完成する。細部まで作り上げた末に、一瞬に運命を委ねる。オブジェの割れた断面に色彩のグラデーションが出てくる。私が惹かれたのは潔さとその破壊の先に美しさを見るからである。

木材、キャンバス、パネル、パステル、油彩
作品へのコメント:
手に入るものが増えた今だから感じる喜びと寂しさを、私なりに美術を通して昇華しようとしている作品です。
受賞した感想:
受賞させていただき、華やかな世界への関心が強まるような貴重な経験ができたことを大変感謝しております。ありがとうございました。ひとつの節目・きっかけになったので次へ繋げていきたいです。
今後の展望:
かっこいいと思うものに執着し続けられるかどうか、自分を試していきたいです。
審査員からのコメント:
【保坂健二朗】木炭で描かれた夜の闇に色が散る。道路で踊り狂う人物を、白い街灯が照らしているようだけれど、顔は見えない。ちょっとシュールな光景なのに、明らかに描き手の心の中にある暖かなものとして感じられるところが、大東の作品のまずすごいところである。また、今の時代にリアリティがあるのはこのサイズなんだろうと納得させつつ、その小ささを守るために独自の展示方法=作品形式を編み出した点も素晴らしい。これからは、時々、もっと冒険してみてください。

3Dプリンター(ABS樹脂)
作品へのコメント:
3DCGを使用し3Dプリンターで出力する事により、私がクリエィティブだと思いPC上で表現したモノが、曲線的で数値的な形で出力される。オリジナルはPCのデータとして存在し、3Dプリンターによって出力された形は偶像に過ぎない。
受賞した感想:
大変嬉しく思っております。自分が信じてきた表現が評価されて良かったと思います。また、私の作品に対してコメントを頂けたのも嬉しく思いました。
今後の展望:
私は現在、3Dプリンターを使った立体作品と映像作品の両方の表現の模索を行っています。今後、この二つの表現が互いに刺激を受けつつ、新しいアイディアを共有しながら行っていくことで、アートの可能性を広げることができると確信しています。
審査員からのコメント:
【岩渕貞哉】3DCGで造形し動かした人体像を3Dプリンタで出力し、コマ撮りアニメーションの要領で動かした映像と、その像をコマのように並べて展示している。そのペラペラな人体像とデジタルの「労働力を酷使」した作業のギャップが、不気味な質感としてあらわれている。

パネル、白亜地、油彩
作品へのコメント:
「一期一会」をテーマに今を生きる人々の肖像を描いています。この作品は、“今日”出会った人や事を、1日のうちに描ききるシリーズ作品“The end of today”の中の一枚です。
受賞した感想:
ここ数年続けているシリーズ作品を評価いただけたことがとても嬉しいです。また、たいへん光栄に思います。並行して続けている他の作品たちもより緊張感を高めてやっていきたいと思っています。
今後の展望:
生きている時間の中で、この先もいろいろなものや、人や、ことと、出会うと思います。その中で自分自身や周りの状況も確実に変化していくと思いますが、その時折の自分自身のリアリティーをしっかりと受け止め、打ち出していきたいです。
審査員からのコメント:
【名和晃平】井田幸昌の絵画は暴力的である。絵の具の使い方、イメージの扱い方、描く際の制限時間(このルールについては、なんのためなのかよくわからなかった)など、破綻の受け入れ方がバイオレンスを感じさせる。ぐちゃりぐちゃりと撫でつけられた絵の具の塊は、匿名性の高い顔面オブジェクトとなり、もはや単なるポートレイトではなくなっている。むろん、これだけで突破していけるのかは疑問だが、小さな一点に絞って出品された、まさにその一点には絶妙なものを感じた。

キャンバス、油彩
作品へのコメント:
怖いこと、考えたくないこと、わからないことを「なかったこと」にしないために。絵画という緩衝材を用い、現実と想像力との関係性の結び方を想い、私なりの寓意表現という処理を行いました。
受賞した感想:
この世知辛いご時世に、若手支援の為の賞を新設して頂いて、このような形でその第3回目に立ち会わせて頂いたことに深く感謝申し上げます。なんだか、3という数字がうれしいです。
今後の展望:
未来を夢想して先へ先へ駆けるより、後ろにあるものを振り向きながらじっとりと先を考えるほうが性に合います。
きっと時間がかかることだと思うけど、覚悟し焦らず伝えていきたいです。
審査員からのコメント:
【保坂健二朗】西村の絵には懐かしさを感じる。色のバランスのせいか、モチーフのせいか、複数のレイヤーを無理矢理つくろうなんてしない潔さのせいか。そんな懐かしさを感じる一方で、確かなパワーを感じるのも事実。これはなかなかできることではない。しかも、画面に乱舞する有象無象をまとめあげようとするパワーは、過去のアートを咀嚼しようとする貪欲さに基づいている。好きな画家のモチーフがぽろりと出てしまったりする脇の甘さも、今のところは魅力的。これから、は、ちょっと気をつけながらがんばってください。

DVDプレイヤー、スピーカー、プロジェクター、LEDライト、植物
作品へのコメント:
映画「どんぞこの庭」を作るためのオーディション映像、テスト撮影で構成された映像と、映画の脚本を極度にドラマチックに朗読する音声が暗闇で重なりあう。スクリーンの周りに多数の植物を置き、庭・あるいは温室のような場所を構成する。庭という場所を、室内ではなく、しかし完全な外部でもない、境界線に存在する場であると設定する。鑑賞者は、庭のような環境に身を置き、「作られることのない映画」の、映像と音を体験する。
受賞した感想:
アタシは自分で自分の作るものがいつだっておもしろいと思っているけれど、人にもおもしろいと思ってもらえるかみたいな点においてはあんまり自信がなくて、でも、こうやって賞をいただけたことで、少なくとも自分がかっこいいなと思える人たちにも、ときおり認めてもらうことができるんだなと思って、すごく嬉しくなりました。
今後の展望:
初めての長編映画を制作中で、この夏に撮影に入ります。まずはそれに集中すること、そして将来的には美術/映画のどちらにも愛をもって接して、それぞれの境界をゆくような映像作品を作ってゆきたいです。
審査員からのコメント:
【岩渕貞哉】映画作りのためのオーディションやテスト撮影の模様で構成された映像に、人工的に自然を育む温室の中の庭という空間が重ね合わされている。完成を求めながらもたどり着くことのできない、若い感性のひりひりした痛みのような感覚が良い。

キャンバス、油彩
作品へのコメント:
同性婚をテーマにウェディングトールを描きました。ドールをモチーフに選んだのは自分が子供の頃、人形を使った遊びの中に抱いていた漠然とした結婚や恋愛などのイメージから来ています。
受賞した感想:
選んで頂き本当に有難う御座いました!とても光栄に思います。今回の受賞を糧にまた頑張っていきたいと思います。
今後の展望:
自分が制作のテーマとして扱っているジェンダーやセクシュアリティの問題は要約するとボーダーの問題だと思ってます。そのボーダーを打ち破るような、それを作品でどのように表現するかさらに模索していきます。
審査員からのコメント:
【山口裕美】2人のウェディングドレスのバービー人形。可愛くて、キュートなクールジャパン的な絵画か、と思わせて、その実、LGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー)の問題をおおらかに訴えている。性的少数者は、長年、社会生活の中で、たくさんの苦しみを誰にも打ち明けられずにいた。アーティストはそれらの状況に敏感であったと思う。この作品にはもう1つ、対になるべき作品がある。会場で2作品の展示が出来ればうれしい。
CAF賞2026
CAF賞2025
CAF賞2024
CAF賞2023最優秀賞受賞作家 菅野歩美個展
CAF賞2023
CAF賞2022最優秀賞受賞作家 サリーナ・サッタポン個展
CAF賞2022
CAF賞2021最優秀賞受賞作家 稲田和巳 個展
CAF賞2021
CAF賞2020最優秀賞受賞作家 スピリアールト・クララ 個展
CAF賞2020
CAF賞2019最優秀賞受賞作家 サカイケイタ 個展
CAF賞2019
CAF賞2018最優秀賞受賞作家 根本祐杜 個展
CAF賞2018
CAF賞2017最優秀賞受賞作家 木村翔馬 個展
CAF賞2017
CAF賞選抜展
CAF賞2015
CAF賞2014