増田 将大
Masahiro MASUDA
Masahiro MASUDA
WEB SITE東京藝術大学
2014年3月20日(木)、公益財団法人現代芸術振興財団が主催するアートアワード「CAF ART AWARD 2014」が行われました。
本アートアワードは、全国の美術系高校、大学、大学院、専門学校の学生の皆さまを対象とした、若手アーティスト育成を目的とする現代芸術作品のアートアワードです。
当財団の英文の頭文字を取り「CAF賞」として、全国の学生から作品を公募し、22作品を選出いたしました。その中から最優秀賞1名、優秀賞3名、審査員特別賞4名を選出し、同日、授賞式並びに授賞作品の講評会を行いました。
審査員には、名和晃平氏、保坂健二朗氏、山口裕美氏、岩渕貞哉氏をお迎えし、作品を選定していただきました。
今回が第1回目となるCAF賞は今後毎年の開催を予定しており、これからの活躍が見込まれる学生の皆さまに対して、助成金を拠出させていただきます。
彫刻家
1975年大阪生まれ。京都市立芸術大学大学院美術研究科博士(後期)課程彫刻専攻修了。独自の「PixCell」という概念を基軸に、作品を構成する要素や質感を追求した作品を展開する。2009年より京都にて、建築家、デザイナーなどのクリエイターと横断的な創造活動を行うプラットフォーム「SANDWICH」のディレクターをつとめる。主な展覧会は、「名和晃平‐シンセシス」(東京都現代美術館、2010年)、「神勝寺 禅と庭のミュージアム "洸庭"」(広島、2016年)、「ジャパン・ハウス・サンパウロ "ESPUMA / Kohei Nawa"」(サンパウロ、ブラジル、2017年)。第 14 回アジアン・アート・ビエンナーレ・バングラデシュ 2010 最優秀賞(2010年)。京都府文化賞功労賞受賞(2018年)。京都造形芸術大学大学院美術研究科教授。
東京国立近代美術館 主任学芸員
1976年生まれ。慶應義塾大学大学院修士課程(美学美術史学)修了。担当した主な展覧会に、「The Japanese House: Architecture and Life after 1945」(ローマ国立21世紀美術館、2016)、「Logical Emotion: Contemporary Art from Japan」(チューリヒ・ハウス・コンストルクティヴ美術館、クラクフ現代美術館他、2014)、「フランシス・ベーコン」(2013)、「Double Vision: Contemporary Art from Japan」(モスクワ近代美術館、ハイファ現代美術館、2012)など。主な著書に、『キュレーターになる!アートを世に出す表現者』(住友文彦との共同監修、フィルムアート社、2009)、『アール・ブリュット アート 日本』(監修、平凡社、2013)など。
『美術手帖』編集長
1975年横浜市生まれ。1999年慶応義塾大学経済学部卒業。2002年美術出版社『美術手帖』編集部に入社。2007年に同誌副編集長、2008年に編集長に就任。2012年7月より同社編集部部長を兼任。書籍・別冊に『大地の芸術祭 越後妻有アートトリエンナーレ ガイドブック』(2006)、『瀬戸内国際芸術祭ガイドブック』(2010)、『村上隆完全読本1992-2012 美術手帖全記録』(2012)など。
アートプロデューサー&ディレクター
株式会社YY ARTS代表。eAT金沢99総合プロデューサー、「劇的3時間SHOW」キュレーター(2007)、静岡県掛川市地域活性化プロジェクト「掛川現代アートプロジェクト」プロデューサー(2008-2014)、「De La Mer 」10周年記念イベント総合ディレクター(2010)、女子美術大学非常勤講師(2010)、北京市 D-PARK Animals save the art gallery ディレクター、NPO法人芸術振興市民の会(CLA)理事、NPO法人Open Museum Project理事、玉川大学経営学部観光経営学科非常勤講師。
キャンバスにアクリル
Q1:作品について
今回の作品はアトリエにセットしたモチーフを撮影し、プロジェクターで同じ場所に投影し、また撮影する。という手法で作った図像をシルクスクリーンのレイヤー を幾重にも重ねることで、虚と実、時間と空間の関係をテーマに制作しました。
Q2:受賞した感想
最優秀賞を頂けて大変嬉しく思っています。今後の制作ための糧にしていきます。
Q3:今後の展望
作品をコンスタントに作り発表し続けていきたいと思っています。
キャンバスに油彩
Q1:作品について
中国仮山文化を利用したり、アクリルと油彩併用してシュールレアリズム的な構図を参考したり、ポピュラーカルチャーのイメージにおける理想と現実、虚構とリアル。その微妙なバランス関係は写実とデフォルメを融合したいと思い描きました。
Q2:受賞した感想
大変嬉しかったです。ただ単に自己満足で終わるのではなく、客観的に評価していただけたということもそうですし、表彰式に参加できることになり、受賞する時にここまで続けてきて良かったと思いました。多くの素晴らしい作品がある中から、私たちの作品を優秀賞に選んでいただき、とても光栄です。ありがとうございます。特に、ご指導いただいた母袋さんに感謝の意を述べたいと思います。
Q3:今後の展望
政治のイメージを描いていますが、文化は国境がありません、これからも制作を続けて世界の舞台に活躍していただきたいと思います。
Q1:作品について
山形に残る伝統的な焼き畑からは、自然との関わりの中で人々が培ってきた、持続可能な暮らしの知恵や思想を伺う事ができる。100年先を見据えた生産の在り方に、地に足の着いた、未来への確かさを持つ営みを感じ、作品に表したいと思いました。
Q2:受賞した感想
私の制作の源は、その土地その土地で出会うものや人から教わった知恵や風景です。地域のことばを借りて絵画に表したものが、こうして土地を離れたところで評価を受け、多くの人の目に触れることにとても意義を感じました。このような素晴らしい機会を与えてくださった皆さんに、心から感謝申し上げます。
Q3:今後の展望
今年度から博士課程へ進学することになりました。引き続き、大学の研究機関や地域の方々と関わりながら、制作だけではなく、研究を言語化できるよう取り組んでまいりたいと思っています。地域と都市を繋ぐ表現者でありたいです。
キャンバスにアクリル
Q1:作品について
アニミズムや白というテーマから、御神木をモチーフに、見えないものをとらえる絵画を試みました。一見して真っ白な画面の中にも浮かび上がる存在。見えないものは確かにそこに存在していると思うのです。
Q2:受賞した感想
賞を頂いた作品は、自分が今まで制作した中でも思い入れのある作品で、今回その作品が、優秀賞と名和晃平賞という二つの素晴らしい賞を頂き、大変嬉しく思います。ありがとうございました。
Q3:今後の展望
常に当たり前だと思っていることに揺さ振りをかけ、新鮮な眼をもって、より良い作品を作り続けていきたいと思います。この賞を今後の活動の励みにして、よりいっそう精進していきます。
キャンバスに油彩
Q1:作品について
絵の具でイチゴやチェリーを使ったパイを作ります。そのパイをキャンバス(彼女の上)ですりつけるように描いていると、キャンバス(彼女)が傷つき中から血がにじんできました。
Q2:受賞した感想
普段の制作は紙に水彩やペンシルなどでのドローイングですが、今回受賞した作品は油絵で、ドローイングとはマテリアルがかなり違い印象も変わると思います。それでも受賞できたことは、マテリアルの違いを超えて両者に共通するものを汲み取っていただけたと勝手に思って、大きな自信に繋がりました。
Q3:今後の展望
ドローイング、油彩ともに意欲的に描いていきたいです。またそれらが幅を持って深く理解されるものとなったら最高です。それに見合う作品になるよう、もっとがんばっていきたいです。
キャンバスに油彩
Q1:作品について
身体を覆う薄い膜、マスクのようなものを描きました。
Q2:受賞した感想
これから制作する上でとても良い刺激になりました。ありがとうございました。
Q3:今後の展望
絵画の制作を続けます。感覚に委ねていた部分を解体し、再構築して作品の完成度を高めていきたいです。
キャンバスに油彩
Q1:作品について
身近な人間から抱いた嫌悪感から、醜いと感じた対象をモデルに描いている。嫌悪感を抱く時、話しているのに言いたいことが伝わらないジレンマがある。当然と考えていることが、他者と関わる時、時として互いに否定的な感覚を生み出す。私はその否定的な感覚を醜いものとして視覚化する。
Q2:受賞した感想
賞を頂けてとても嬉しいです。審査員の方々からの講評会や授賞式で他大学の学生と作品の話をする機会を頂けたことがとても良い経験になりました。学生にこのような素晴らしいチャンスを与えてくれたCAF賞にとても感謝しています。
Q3:今後の展望
同年代の学生の作品に対しての姿勢や作品のクオリティからとても刺激を受けました。私が絵画で表現する醜さについて、より一層考えを深めた上で、作品制作に取り組みたいと思いました。貪欲に頑張ります。