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CAF賞2020入選作品展特別公演・敷地理 『blooming dots』

この度公益財団法人現代芸術振興財団は、学生対象アートコンペ「CAF賞2020入選作品展」の開催にあわせ、12月5日(土)にCAF賞2020入選作家・パフォーマーの敷地理と本プログラムに招聘する仁田晶凱の2名による特別公演を開催いたします。本公演はCAF賞入選作品展のご来場予約とは別に、公演専用の予約サイト(https://blooming-dots-caf2020.peatix.com/)から事前予約の上、ご鑑賞・ご参加ください。

敷地理 特別公演 『blooming dots』

コロナ禍で増加したオンラインでのコミュニケーション。私たちはオンライン上で、どれだけ「分かり合える」のでしょうか。身体とメディアについて作品を多数発表してきた敷地理による、オンラインでのコミュニケーションにおける身体をテーマに据えた作品です。

【参加方法】事前予約制:https://blooming-dots-caf2020.peatix.com/
*会場でのご鑑賞チケットの販売は12/1(火)午前0時からとなります。

本作品は、会場参加・オンライン参加の二つの方法でご参加いただけます。
また、本作品は会場参加・オンライン参加にかかわらず、お客様のスマートフォンでZOOMのアプリケーションを開き作品が進行いたします。
公演日までにZOOMのアプリケーションをダウンロードしたスマートフォンをお持ちください。
ZOOM:https://zoom.us/jp-jp/meetings.html

会場:代官山ヒルサイドフォーラム
日程:12/5(土)14:00(会場/オンライン)
   12/5(土)16:00(会場/オンライン)
   12/5(土)19:30(会場/オンライン)
   《受付開始:各回開演の10分前》
   《上演時間:約45分》
料金:参加無料/ドネーション制(事前予約制)

*会場でのご鑑賞チケットの販売は12/1(火)午前0時からとなります。
*当日券等企画の最新情報はこちらのTwitterで発信いたします。
https://twitter.com/OsamuShikichi

【本作『blooming dots』について 敷地理】

新型コロナウイルスが世界的に流行する中、 身体的接近を避けるためオンライン上でのコミュニケーションが増加しました。画面上には平面になった私たちの身体が集合し、意思疎通を図っています。こうした現在の状況を踏まえ、<共感度の高い>、言い換えれば「<解像度の高い>身体のイメージをどう生み出し、どの様に他者と共有するか」を考えています。ディスプレイ上の解像度の落ちた身体に、私たちはどの様に寄り添うことができるのでしょうか。
このパフォーマンスではまず始めに、自分の身体を画面上のイメージとして捉え直し、経験的に獲得した自分の身体からその一部を引き剥がして距離を生み出すことを観客と一緒に試みます。それから他者化した自分の一部を匿名の誰かの身体のそのイメージと交換し、自分でない匿名の身体にどのくらい自分を接近させられるかを双方向から探ります。
このプロセスは音楽で例えるならば、視覚的なASMRを作ろうとすることと言えるかもしれません。音楽になる手前の解像度の高いプリミティブな音としての刺激が私にとってのASMRです。つまりそれは、ASMRの様な身体的共感度の高い、言い換えれば個人的なものとなる手前の、ナラティブなものではない、匿名で解像度が高い矛盾した身体のイメージをどう作るかということだと考えています。
こうした前述したものへの時間が前半だとしたら、後半ではオンライン空間から離れて、オフライン上の上演空間でどの様に他人の身体といった距離のあるものと意思疎通を図れるかを探ります。
画面上の誰かの身体は、実空間で隣に座る相手よりも解像度が落ちるかもしれません。しかし逆説的に、イメージの解像度が落ちることでそのイメージの共感度は鮮やかになるかもしれません。(これは比喩の話であり、パフォーマンスにおいて参加者同士は最大限距離を確保し、隣り合う様なことはありません。)
たとえ対象が肌の触れ合う親密な存在だとしても物質として絶対的他者であり、そのイメージが大部分の理解を生むほどの解像度を持つことはあり得ません。それは自分の身体でも同じです。日々変わり続ける、サーモグラフィーの様な私にとっての私の解像度は目の前にいる他者よりも低いかもしれないのです。
満足な次元まで解像度をあげることが不可能だとしても、私はこの他者や自己への解像度を引き上げようとする試み、この距離のある分からないものへと寄り添おうとする態度は、現代社会でいま最も大切にされるべきもののひとつだと考えています。
本作では、このような試みが身体のイメージを作り出す小さなピクセルたちを開花させ、そのもの自身を超える何かを匂わせることを期待し、『blooming dots』と名付けました。

■ 振付・演出・出演:敷地理
■ 出演:仁田晶凱

パフォーマー:敷地 理(左)、仁田 晶凱(右)

◯ 敷地理 (振付家・ダンサー )


身体をメディアとしたパフォーマンス・ダンス作品を主に手掛ける。ベルリン芸術大学交換留学、武蔵野美術大学彫刻学科卒業、東京藝術大学大学院修士課程修了。自分を外側から見ることが不可能な中で、自分と物質的に最も近い他者を通して自分の現実感を捉えることを主題に制作を行う。その過程で身体的臨界状態をつくり、その境界を確認し曖昧にすることに関心を持つ。最近の主な活動に「ハッピーアイスクリーム」(YDC 2020 Comptetion Ⅰ / 若手振付家の為の在日フランス大使館賞受賞)、「振動する固まり、ゆるんだ境界」(TPAM 2020 Fringe)、MoHE2020デジタル・レジデンシー(日本・イタリア・フランス・台湾・香港ダンス交流事業/セゾン文化財団)など。また最近の出演作品に「The Retreat」(Thanapol Virulhakul 演出,振付 / TPAM2020 Direction) など。
https://mumumubrothers.wixsite.com/osamu-shikichi

◯ 仁田晶凱 (振付家・ダンサー )


日本大学芸術学部を中退後、ベルギー・ブリュッセルにあるコンテンポラリーダンス専門学校P.A.R.T.S.にて振付を学ぶ。現在はフリーランスの振付家、ダンサーとして活動する一方で、コンテンポラリーダンスカ ンパニーに所属。ギャラリー<アサクサ>にて開催されたオノ・ヨーコとリクリット・ ティラバーニャによる二人展『共に行動すること』(2016年)にて、オノ・ヨーコの《グレープフルーツ》 (1964年) を参照したトリュビュートパフォーマンスを行う。 アンスティチュ・フランセ東京にて行われた<第6回「哲学の夕べ」-パリ五月革命をめぐって->(2018 年)にて五月革命をテーマにしたパフォーマンスを発表。
https://www.akiyoshinita.com/

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