東京・渋谷のRoom_412で個展を開催する、CAF賞2017入選作家・木村有輝子さんにお話を伺いました。
展覧会の様子
木村さんは2017年から廃材を支持体としそれらに絵を描いたり加工したりした作品を制作されています。本展覧会のタイトルは「進華」。「進華」は、木村さん自身が作家として「進化」したいという思いから「進」、いらないものとして捨てられた廃材を作品として「昇華」させた過程から「華」という言葉をとった、2つの言葉から成る造語、とお話しくださいました。
--今回はどのような経緯で展覧会を開催することになりましたか?
木村:知り合いの作家さんの個展を見に行った時に、Room_412のオーナーさんとお話しする機会があり、ポートフォリオを見せたのが始まりです。自分の作品展示ができるきっかけがなかなか掴めずとても焦っていた時期で、様々なギャラリーを回ってはポートフォリオと名刺をお渡し、チャンスを探し続けていました。幸いにも、Room_412を知るきっかけになった知り合いの作家さんが、オーナーに「素敵な作品を作っている方です」と、私を後押しして下さったこともあり今回の展示につながりました。人と人とのご縁は大切だと身を持って実感しました。
--どのような作品を展示しますか?目玉作品はありますか?
木村:全て廃材だったものを支持体として制作した平面作品や立体物を展示します。廃材特有のほころびや木目からイメージして造りました。第4回のCAF賞展で展示した「分裂」という作品も展示させていただくことになり、それが本展の目玉作品となります。
CAF賞2017出展作品 写真:木奥恵三
--展示を計画・準備している際に印象深かったことや苦労したことはありますか?
木村:DM作りは苦労しました。今回の展示のDMを自分で作ったのですが、私はそういった制作物を作った経験が少なく、どう進めてよいか、初めはとても悩んでしまいました。運がいいことにデザイン学科の友達がいたので、彼女に相談して、いろいろ教えてもらいつつ作ることが出来ました。苦労しましたが良い思い出です。
--今回の展覧会は、ご自身のキャリアの中でどのような位置づけ、どのようなインパクトがあると思いますか?
木村:今までグループ展示の参加はギャラリーなどでやらせて頂いた経験があるのですが、自分ひとりで展示空間(個展)を作るのは初めてで、とても緊張しています。この個展から今後どのように作家として歩みを進めていくのかはまだ分からないのですが、できるだけ多くの方に自分の作品・活動を知ってもらえるといいなと思っています。
本展展示作品
--この展覧会の他に展示の予定があればお知らせください。
木村:アートではなく、自分の仕事の活動になってしまうのですが、私は「木村きこり」というペンネームで漫画家をやっています。私自身のことを赤裸々に描いた「統合失調症日記」というエッセイマンガの単行本を出しております。日々のアート活動のことや予備校時代のことなどちらほら出てきているので興味がある方はぜひ読んで頂けると嬉しいです。
本展に向けて制作した新作も出します。基本的には期間中会場に在廊しますので、気軽に見にいらしていただけるととても嬉しいです。見ごたえがある展示にするため精いっぱいやりきりますのでどうぞよろしくお願いします!
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木村有輝子 個展「進華」
会場:Room_412(東京都渋谷区桜丘町15-8高木ビル412号室)
会期:6月18日(火)~23日(日)11:00〜20:00
http://room412.jp