Ayumi Kanno Solo Exhibition

boring process たいくつな掘削かてい

2025.5.29 - 6.28Roppongi Piramide Bldg 4F

この度、現代芸術振興財団はCAF賞2023 最優秀賞受賞作家 菅野歩美 個展「Boring process たいくつな掘削かてい」を開催いたします。菅野歩美は1994年、東京都生まれ。本年2025年に東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程修了、現在は東京を拠点に活動をしています。

菅野はどこの土地にも存在する、フォークロアと呼ばれる土地にまつわる物語や伝説、幽霊譚のリサーチを行い、人々によって紡がれてきたその背後にある歴史や個人の感情を想像することで生まれる「オルタナティヴ・フォークロア」を映像インスタレーションによって表現しています。

本展では、「フォークロア」をテーマにしてきた菅野の背景に焦点を当て、作家の個人的な記憶と歴史を作品を通じて発掘し直し、フォークロアに着目してきたことへのつながりや意味を再発見することを試みます。


私がフォークロアをテーマにしてきた背景には、祖父母との関係がある。毎日祖父母と土建屋の事務所で夕食を食べ、食後のフルーツの時間になると、祖母がこの町でかつてあった出来事を面白おかしく語ってくれた。話はいつも誇張され、脚色もされていて、それが本当なのか嘘なのか、よくわからない。けれど知らない話に驚いた反応をすると祖母は喜び、話に熱が入る。このように過ごした時間が、今の制作につながっている気もする。

私はここ4年ほど、家族と分担して、自宅から車で20分ほどの山あいに暮らす祖父母の買い物や病院への送迎をしてきた。そしてこの春、しばらく前に閉業した祖父の事務所の整理を始めた。土建屋だった事務所からは、ボーリング調査の残骸や道具なども出てきた。整理作業はなかなか進まず退屈な作業だが、ときに知らなかった過去や、忘れていた記憶を掘り起こすこともある。

退屈を意味する「Boring」と、掘削作業を意味する「Boring」は、語源は異なるものの、偶然にも同じ綴りと音を持つ言葉だ。本展示では、この退屈な過程を通して、私がこれまで興味を持ってきたものの根っこを掘り起こすものにしたい。そうすることで、その根の先に思いがけないものが繋がっていることを発見することができるはずだ。

菅野歩美

菅野歩美

1994年生まれ。2025年東京藝術大学大学院美術研究科博士後期課程(油画)修了。

どこの土地にも存在する、土地にまつわる物語や伝説、幽霊譚。フォークロアと呼ばれるそれらは、なぜ人々によって紡がれてきたのか、その背後にある歴史や個人の感情を想像することで生まれる「オルタナティヴ・フォークロア」を3DCGを使ったアニメーションやドローイングによって表現している。主な個展に「明日のハロウィン都市 / Halloween Cities of To-Morrow」(2023/東京)

Archive

展覧会の内容をまとめたカタログをご覧いただけます。

  • 作家による展示ステートメント
  • 展示概要と作品情報
  • 展示風景 図版
  • レビュー: 畠中実「from her(e) to eternity」
  • 作家インタビュー: 本展示と過去作について
  • トークイベント「Drawing room」菅野 歩美 × 結城 敬介
  • 日記: 展示制作過程の日記
  • 作家略歴と主要な過去作品

Information

菅野歩美 個展『Boring process たいくつな掘削かてい』

  • 2025.5.29 - 6.28(水・木・金・土)12:00 - 19:00
  • 現代芸術振興財団
    東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル4F

Events

オープニングパーティー「Reception Room」

本展覧会のイメージに合わせた、ささやかなお菓子をご用意しております。該当の時間帯には作家も在廊いたしますので、どなたさまもどうぞお気軽にお立ち寄りください。

トークイベント「Drawing Room」

「drawing」には「描く」だけでなく、「応接」という意味もあるそうです。本トークイベントでは、ジャグリングのような手つきで対話を重ねながら、今回の展示テーマやこれまでの作品とのつながりを掘り下げていきます。

例えば、そもそもなぜフォークロアに興味を持ったのか?そうした、本展示にも繋がる菅野のこれまでの作品をめぐる問いを、友人でジャグリングパフォーマーである結城敬介と共に掘り下げていきます。そこから生まれる作品のさらなる余白をめざして、トークイベント「Drawing Room」を開催します。

オンラインフォームで予約いただけます。

ゲスト:結城敬介(ジャグリングパフォーマー)

1987年生まれ。仙台市出身。13歳よりジャグリングを始める。16歳で日本大会銀賞を受賞後、国内外でパフォーマンスを行う傍ら、異ジャンル並立をコンセプトにした『多夢多夢茶会』『あるばとろす』などのオムニバスパフォーマンス公演を企画する。また『アイドル批評誌 かいわい』やストリップの文集『ab-』の編集・執筆活動も行っている。

Credits

  • 会場構成:小泉 立(週末スタジオ)
  • 施工:小泉 立、加藤 健吾(Dottete Design)
  • リサーチ協力:古川 智彬
  • Web:稲田 和巳
  • 会場写真:長谷 なつみ
  • Special thanks:山中 優太、宝田 勇樹、太田 茜、新井 毬子、三浦 エリ

本展覧会は、公益財団法人現代芸術振興財団の行う「CAF(Contemporary Art Foundation)賞」の最優秀賞の副賞として開催されます。CAF賞とは学生の方々を対象に若手アーティスト育成を目的として2014年から毎年実施しているアートアワードです。最優秀賞者には賞金100万円のほか、副賞として個展開催の機会を提供しております。

This exhibition is part of the eighth annual “CAF Award” organized by the Contemporary Art Foundation supporting young art students. The Grand Prix winner is honored with 1 million yen and a solo exhibition.